えもいブログ

AIトラベルのCTOをしています。n=1 の事実をもとに思うがままに書きます。emotionalだったり、そうじゃなかったり。

ビービットを辞めて約一年経って思ったこと。ビービットで得た3つのこと

今回は、完全にただの個人ブログです。自社の宣伝はありません。 そのかわり何故か前職のビービットの宣伝をしています。

新卒から7年間務めていたビービットを辞めてから約1年が経ちました。

辞めてから、1年も経つとビービットと心の距離も離れ、冷静に色々見えるものがあります。 あらためて離れた視点から、7年間という年月の中で、自分が得たものを言語化することは自分にとって意味があるとふと思い、つらつらと文章を書くことにしました。

この文章からおそらく皆様が何かを得ることはないと思いますが、僕という人間を少し垣間見れるかもしれません。(超ポエム笑)

ビービットで僕がやっていたこと

得たものの話をする前に、僕が何をやってきた人かを書こうと思います。

端的に言うと、ソフトウェア開発に関わるほぼ全てを体験させていただきました。

  • ビービットの既存のお客様に、「なんか役立つものを提案したり作ったりするから、新規サービス開発に協力してくれない?」みたいな、なかなか不思議な提案をしてまわってサービスの種を集めたり、
  • そのサービスの種集めで得た多くの一次情報から、作り上げるべきサービスの目的(ビジョンみたいなやつ)、ターゲット(誰に売るかみたいなマーケティング的なやつ)、その他諸々を検討したり、
  • サービスの目的を叶えるために必要な機能要件を定義したり、
  • 比較的量の多いデータを扱うサービスを作ることになったので、シビアな非機能要求を定めたり、
  • システムのアーキテクチャを考えたり、
  • クラスやデータベース設計したり、実装したり、テストを書いたり、
  • 性能検証をしたり、
  • サービスローンチ後は、システム監視会社から深夜にかかってくる障害の通知の電話におびえたり、
  • 引き続きサービスの価値を高めるために、お客様にヒアリングをしたり、
  • 机の上でそれが本当に我々が解くべき問題なのか悩んだり、

プロダクトを作っていく上で通る、おおよそ全てを経験させていただいたと思います。(書き漏れているような気がする。。)

今思うと、ビービットには、本当に貴重な経験をさせていただいたなと思っており、感謝してもしきれないです。

余談

ちなみに、作ったプロダクトは、USERGRAMというプロダクトです。(昔はUsergramだったのに、いつの間にかマイナーチェンジしているw)

https://www.bebit.co.jp/usergram/

また、WebAntennaというプロダクトの開発も平行して行っていました。

https://www.bebit.co.jp/webantenna/

ビービットで僕が得たもの

項目の粒度がバラバラかつ、経験だったり、スキルっぽかったり、やたら抽象度が高たり、読まれる方には何のことやらと思われると思いますが、気にせず書きます。 暇ができたら、別エントリーとかで、トピックごとに具体的に深掘りして書こうかなと思ったりしています。

僕は、大きく下記の3つのものをビービットから得ました。

  1. B to B で大きなデータ量を扱うシステムを作る大変さの実感
  2. ユーザ、ビジネス、技術のバランスを取るスキル
  3. 考え方を考えること

1. B to B で大きなデータ量を扱うシステムを作る大変さの実感

ビービットでは、上記余談に書いたとおり、広告の効果の計測のシステム(WebAntenna)やウェブとアプリ上のユーザの行動を分析するツール(USERGRAM)を作っていました。(オフラインのユーザの行動データもつなげるようになったみたい)

ビービットという会社の性質が大きいと思うのですが、プロダクトを使ってくだっていたクライアント様はとんでもない大企業だったり、またその数も多かったりしました。

上の2つの前提があると、何が起きるかというと、下記のようなことが発生していました。

  • 扱うデータ量が多くなりがちなので、設計をミスると後から変更する手間が非常に大きく、ミスが許されにくい。
  • 機能追加にともなう事前の調査、検証を慎重にやらざるを得ず、時間がかかる。
  • リリース前のタイミングでのクライアントへの調整のコストが高い。
  • 常にシステムが動いている必要があり、システムを停止することが許されない場所が多い。

逆にスタートアップで仕事をしていると、お客様の数が少ないので、え!そんな大きな変更を入れるの? みたいなものもスピード優先で、ガンガンリリースしていくことが多いなと思います。 改めて、B to B x 大規模システムを扱っていたビービットのプロダクト開発は大変だったんだなと実感しました。

ちなみに、僕はAITravelという会社でCTOをしているのですが、AITravelでも大手企業様がお客様になりはじめていたり、プロダクトをアライアンス先に提供するような状況になってきています。 そのときに、何を抑えておくべきかの勘所が何となく分かるのは、ビービットでプロダクト開発をしていたおかげだと思います。

2. ユーザ、ビジネス、技術のバランスを取ること

システムの要件を考える際には、ユーザ、ビジネス、技術のバランスが大切だなと今でも実感しています。

例えば、ニーズがあるからと言って、闇雲に機能を乗せると、たちまちユーザにとって使いにくい機能が乱立したり、画面が訳わからなくなったりします。 その結果、お客様には新機能の存在すら認識されず、社内のプロダクトを作っているメンバーから「結局うちのサービスって何がしたいんでしたっけ?」と言われることになりかねません。 また、ユーザに使いやすい機能を磨きに磨いても、結局そもそも売れて使ってもらえなければそれは体感していただけないですし、どんだけイケている技術を使ったとしても、それがユーザの便益になっていないとプロダクトには価値はないです。

この3つのパラメタを満たすために、そもそもユーザの抱えている問題はなにか? それを解くための方法はなにか、そしてそれはマーケットで欲されているのか、現実的な時間で開発できるのか?を常に考えることが、要件を検討するという行為のコアだと言うことを刷り込んで頂けたのは、本当に今でも財産になっています。

これらの3つの観点は時に衝突し、全てを選択することができないこともあります。 その時も、シビアにメリット・デメリットを様々な観点から整理し、考え続けることの大切さも学べたと思います。

そして、それは時にとてもつらい意思決定になったりするので、できればやりたくないのが正直なところです。

それでも開発リソースはおおよそ常に有限で、人間がサービスの中で認識できる機能も有限で、時間も有限です。 その中で、きちんと判断しないといけない問を見定めながら、きっちり意思決定をしていけるように仕事をしていければと思います。

3. 考え方を考えること

メタ的表現すぎて意味わかりませんねw

ただ、ビービットを退職して、1年間フリーランスをやったりCTOをやったりしながら、いろいろな組織を見ていて、ソフトウェアプロダクトを開発していく上で、かなり重要な概念であることに気が付きました。(少なくとも僕にとっては)

ソフトウェアプロダクトを自社で持っている場合、当然そこにはいろいろな人の思惑がはいってきます。 機能ごとに部署が異なるのであれば、その機能ごとのオーナの想いがその思惑を生み出すでしょう。

また、職務を軸に考えると、営業であったり、マーケであったり、開発であったり、はたまた自由気ままな社長であったり、様々なところから思惑は発生します。 でも、その思惑を反映する器となるプロダクトはそんなたくさんはありません(少なくとも小さな会社では)。

そのため、器にステークホルダー全ての想い、思惑が入ることは基本ないと思います。

更に、内部環境だけではなく、マーケットという外部要因によって、ソフトウェアプロダクトを取り巻く状態はすごいスピードで変わっていきます。

理屈はほぼないのですが、その中で、常に内部環境、外部要因を見ながら、必ずしもベストとは言えないがベターな思考プロセスを組み立て、様々なステークホルダーの考え方を汲み取りながら、プロダクトに対してベターな取り組みをし続けることがプロダクトを育てる上では重要なのかなと思っています。

もちろん天才の鶴の一声的な感じで、最高なプロダクト戦略、最高な機能、最高な実装が思いつけばそれに越したことはないのですが、残念ながら僕にはそのスキルはないので、地道にベターな解を積み上げるほうが性にあっていますw泥臭くいきます。

ビービットでは、仲間とともに、これはどう考えるべきだから、選択肢はこれで、これを選択するのが良さそうである。というような議論をひたすら積む機会があり、それが、僕の考えることを考える癖を育んでくれたと思うと、非常にありがたかったなぁと思っています。

というわけで、つらつらビービットで学んだことを書いてみました。 みんな、ビービットに入社したら良いよ!ということが言いたいわけではないのですが、ユーザのことを真剣に考えながら、限られた開発リソースの中でソフトウェアプロダクトに対して難しい意思決定を行う貴重な経験ができるという意味では魅力的な環境だと思います。

これからも、ビービットで得たものをベースにしながら、少しでもプロダクトを通じて、ユーザに価値を提供できるよう頑張っていければなと思っています。

最後に、僕が宣伝する筋合いは全く無いですが、ビービットは社員の採用をしているようですので、もし興味があればエントリーしてみてください。 https://www.wantedly.com/companies/bebit